【新型肺炎】診断早見表
今回のブログは動物医療の領域からは外れて、新型コロナウイルス感染症に関して書いてみました。皆様のご参考になれば幸いです。
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アメリカ合衆国、ミネソタ州(カーバー郡)の公衆衛生当局のウェブサイトにある新型コロナウィルス感染症とそれ以外のインフルエンザ、風邪症状、アレルギー症状と区別するための早見表がとても分かりやすいと、ネット上で話題になっています。
この早見表は米国CDC(疾病対策センター)およびWHOの過去の発表資料を元に作成されているようです。
この表の英語表記であり微妙なニュアンスも含むため、誰でもわかるようにそれらを加味して表中の大事なところに勝手に和訳を付けてみました。(下図)
表中の英語表記
●COVID-19は「新型コロナウイルス感染症」
●SYMPTOMSは「症状」
●Fluは「インフルエンザ」
●Coldは「カゼ症状」
●Allergiesは「アレルギー症状」(花粉症など)
確かにパッと見た感じ、直感的には分かりやすい表だなと感じます。。。
しかしながら、実際に自分が罹った場合どうなんだと考えると、他の紛らわしい病気とも複数の項目で重複するため、実際にどうなんだという判断材料としてはちょっと心許ないかもしれません。
なかなか新型コロナウイルス感染症だと判断できないというこの感染症の特徴が改めてよく分かります。
つまり、ある時点の症状だけでは、その正体がはっきりしないこの感染症の疑いをより強くする持つためには、それに加えて症状の”時間経過”や”重症度”を加味するような症状を横断的に評価する必要があるのです。
実はそこの部分は医療現場の仕事そのものだったりするということは一旦脇に置いておいていいでしょう。。。こうした一般向けに単純化したアプローチが無駄かといえば、決してそうではありません。
医療従事者と患者には双方が想像する以上の大きな認識のギャップが存在します。
そういったものを事前にでなるべく埋めるという意味では有用であり、一般市民向けに医療行政がどう情報を整理するか、小さいことながらそういったニーズへ答えにもなっている一例だと思います。
特に現在のような緊急事態で混乱している医療現場に丸投げはいけませんから、医療にかかるその前に行政からの誰にも”一貫して分かりやすい”なんらかの交通整理が絶対に必要です。
我が国の医療行政にもこうした一貫性や分かりやすさに最大限の配慮を持って、国民の不安に応えていただきたいものです。
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折しも、この早見表のソースの米国CDCから、4月27日時点での新型コロナウイルスの症状リストに若干アップデートが生じています。
判断ポイントとして、まず肺炎を疑わせる呼吸障害の有無が重要だということ、また味覚・嗅覚障害がこの感染症の症状のひとつに加わりました。
①咳
②息切れ〜呼吸の苦しさ
もしくは以下の2つ以上の症状としています。
③発熱
④悪寒
⑤悪寒で繰り返される震え
⑥筋肉痛
⑦頭痛
⑧喉の痛み
⑨味覚・嗅覚障害
また、”呼吸の問題”、”持続する胸部の圧迫感や痛み”、”意識障害や混乱”、”唇など粘膜が青い(チアノーゼ)”の場合にはすぐに病院へ連絡する必要があるとしています。
新型コロナウイルスの情報は日々アップデートされています。
上記の情報は当ブログ投稿日(4月30日時点)で調べ得る内容に関してのものであり、その後の情報は大きく変化する可能性があります。お読みの際にはその点ご留意ください。
なお、このブログに関しての当院へのお電話等でのお問い合わせに応じかねますので、よろしくご理解の程お願い申し上げます。
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文責:あいむ動物病院 西船橋
病院長 井田 龍