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組織球増殖性疾患とは?

>>>組織球増殖性疾患とは?

まず組織球とは様々な種類の細胞を含みますが、白血球のなかで免疫機能に関与する単核細胞の一種です。骨髄で産生され、体外からの異物やウイルスなどに反応しそれらを排除するために働きます。組織球増殖性疾患は、これらの細胞の反応性および腫瘍性増殖性疾患とされており、由来する細胞の種類や病態により分類されています。

一部を除き、そのほとんどが組織球の中の抗原提示細胞とよばれる皮膚ランゲルハンス細胞や間質樹状細胞、マクロファージに由来します。

犬において明確に定義されたものとして以下の4つに分類されます。②皮膚組織球症と③全身性組織球症は、大きくはどちらも「反応性組織球症」に分類され、その発生部位や病態などから区別されています。

>>>組織球増殖性疾患の種類とは?

皮膚組織球腫表皮ランゲルハンス細胞(樹状細胞)由来の腫瘍です。組織球増殖性疾患のなかで最もよくみられる良性腫瘍です。どの年齢でも発生しますが4歳以下の若齢犬で多く見られ、ボクサーとダックスフンドが好発犬種とされています。

好発部位は頭頂部、耳介、四肢です。cvfl:l;。単一、孤立性の主流を形成し、比較的急速(1〜4週間)に成長します。外観は固く赤みを帯びて脱毛したドーム状の結節で、表皮の下の真皮の部分に発生します。

皮膚組織球症(反応性組織球症に分類)

皮膚組織球腫に類似していますが、由来する細胞は間質樹状細胞とされています。2〜13歳の年齢で多く、好発犬種としてシェルティーやコリーがいます。    

好発部位は頭頸部、会陰部、陰嚢、四肢などで、まれに鼻梁部や鼻粘膜にも発生します。真皮に発赤した脱毛や潰瘍を伴う結節を形成し、多発性のこともあります。その場合1〜5cm程度の大きさの結節が、数個から多いと50個以上発生しますが、二次感染を起こさない限り痛みや痒みはあまりありません。

全身性組織球症(反応性組織球症に分類)

由来は皮膚組織球症と同じですが、皮膚を始め、鼻腔、眼瞼、強膜、リンパ節、肝臓、脾臓、肺など内臓も含め全身性に発生、転移します。2歳以上の若齢犬〜中齢犬に発生し、バーニーズ・マウンテンドッグなどの大型犬に多く見られます。病変は眼瞼部、口吻部、鼻鏡、四肢、陰嚢が特に重度になり、肺、脾臓、肝臓、骨髄、鼻腔にも広がります。多中心性で脱毛や潰瘍化を伴った結節を形成します。皮膚の病変では、1〜4cm程度の結節が皮下に多発して拡大しますが、痛みや痒みはあまりありません。重篤化すると食欲不振、体重減少、呼吸促迫、結膜炎などの症状が見られます。

悪性組織球症(組織球肉腫)

悪性腫瘍であり、間質樹状細胞由来のものと、マクロファージ由来のものがあります。どちらに由来するかで腫瘍の進行速度や予後に違いがあります。

中〜高齢の犬で稀に見られ、バーニーズ・マウンテンドッグを始めとし、ラブラドール、ゴールデン、フラットコーテッドレトリーバー、ロットワイラーなどの大型犬に多く発生します。

組織球肉腫(間質樹状細胞由来):生体の様々な部位に発生し、局所性に発生するものと全身に多発するものがあります。皮膚にはあまり病変を作りませんが、存在するときには多発性の硬結した、脱毛や潰瘍を伴う結節を作ります。

病変は脾臓、リンパ節、肺、骨髄などに発生する場合が多く、転移すると中枢神経、肝臓、腎臓などにも広がります。臨床症状では体重減少、食欲低下、昏睡、中枢神経症状、呼吸促迫などが見られ、マクロファージ由来のものよりは生存期間は長いとされていますが、予後は良くありません。

血球貪食性組織球肉腫(マクロファージ由来):このタイプの組織球肉腫は著しい脾腫を伴い、貧血や血小板減少症などの血球減少症が認められます。この病態では貧血が急速に進行し、低アルブミン血症なども併発するため予後は不良です。

 

>>>犬の組織球増殖性疾患の治療法は?

未処置でも数か月以内に自然消失する場合が多く、退縮しない場合は外科的切除や凍結療法が効果的と言われています。特に中年齢以降で発生した場合は退縮しにくい傾向がありますので、切除する場合も多くあります。治療は約50%が免疫抑制量のステロイド薬に反応し、他にシクロスポリンなどの免疫抑制剤を使用する場合もあります。少数例において外科的切除が有効な場合もありますが、多発するため別の部位に再発する場合が多いです。全身症状は見られませんが、多くの症例では長期間の免疫抑制療法が必要になるため、薬剤の副作用などを考慮すると予後にも注意しなくてはなりません。皮膚反応性組織球症と同様に免疫抑制剤を使用しますが、ステロイド薬が無効な場合もあります。また、治療中止後に長期的に無症状である症例もいれば、寛解維持のために継続治療が必要な場合もあります。多くの症例では長期間の治療が必要となり、予後は警戒を要するものから不良なものまで様々ですが、内臓への転移が進行すると治療が困難な場合もあります。治療法としては外科的切除や化学療法が選択され、局所性の場合は寛解することもありますが、全身性の場合の予後は良くありません。

 

>>>犬の組織球増殖性疾患の診断は?

全てのタイプに共通して、腫瘍を完全あるいは部分切除して病理学的検査を行うことで確定診断します。感染症による組織球の浸潤を除外するために特殊染色が必要になる場合もあります。

 

>>>犬の組織球増殖性疾患の予後は?

上記のように、どのタイプの腫瘍かによって予後は大きく変わります。①皮膚組織球腫は良性腫瘍であり転移もしないため経過は良好です。②皮膚組織球症は内科治療に反応するようであれば、比較的長期的な経過を辿ります。③全身性組織球症、④組織球肉腫に関しては、内臓に転移し臨床症状が重篤化することもあるため、特に④は良好な予後は期待できません。全てのタイプにおいて、腫瘍の早期の発見と病理診断が良好な治療への第一歩となります。

 

組織球増殖性疾患について

組織球増殖性疾患は、ヒトでは樹状抗原提示細胞またはマクロファージの反応性および腫瘍性増殖とされています。
イヌやネコにおいても組織球の反応性および腫瘍性増殖疾患が確認されており、細胞の由来や病態による分類が試みられています。
現在のところイヌにおける明確に定義された組織球増殖性疾患として①皮膚組織球腫、②反応性組織球症、③組織球肉腫の3つが挙げられています。
今回はまずこれらの由来となる組織球の概要を解説し、その後イヌにおけるこの3つの疾患の臨床的挙動や病理組織学的所見についてピックアップしたいと思います。

◎組織球について
組織球と言う用語は様々な種類の細胞を含んでいますが、機能上の分類から一般に抗原提示細胞と抗原処理細胞に大別されています。
抗原提示細胞の主なものとしては、皮膚ランゲルハンス細胞や間質樹状細胞などが挙げられます。
抗原処理細胞は血液中の単球や組織中の大食細胞(マクロファージ)です。
前述した3つの疾患は、ごく一部のサブタイプを除き抗原提示細胞由来とされています。


①皮膚組織球腫

○由来
 イヌの皮膚組織球腫の由来は皮膚ランゲルハンス細胞とされています。皮膚ランゲルハンス細胞は表皮のケラチノサイト間に存在する樹状抗原提示細胞です。

○臨床的特徴
 一般的に良性腫瘍として扱われており、急速(1~4週間)に増大するものの1~2ヶ月後に自然に退縮します。
 通常直径2.5cm以下のドーム状の腫瘤を形成し、脱毛や潰瘍は一般的に見られます。
 どの年齢でも発生しますが、特に3歳未満の若齢犬に好発することが分かっています。
 組織球腫の由来はランゲルハンス細胞であり、局所リンパ節に遊走しやすいという特徴を持っています。そのため、無痛性のリンパ節症が比較的良く見られるようです。

(弊社のデータとしては半数の症例が3才以下であり、残りの半数は4才から高齢までと様々です。発生部位は口唇部と耳介部にかなり好発する印象があります。)

○病理組織学的特徴
 組織球系細胞の特徴を有する単一の円形細胞のシート状増殖からなります。
 腫瘍の形状の特徴として、頂上部が大きく基部が狭いという逆台形や楔形のいわゆる“トップヘヴィー”な輪郭を呈します。これは後述する反応性組織球症との重要な鑑別点の一つになります。
 腫瘍の退縮はリンパ球介在性であり、退縮期には基部から腫瘍全体へとリンパ球の浸潤が広がります。またそれに伴い、反応性の組織球の浸潤や多発性の壊死巣も見られるようになります。
 後期にはリンパ球の浸潤像などで腫瘤が埋め尽くされ、組織球腫細胞が真皮浅層に僅かに残るのみとなり得ます。

②反応性組織球症(皮膚組織球症、全身性組織球症)

○由来
 反応性組織球症の由来は活性間質樹状細胞とされています。ランゲルハンス細胞と異なり間質に存在する樹状細胞であり、免疫表現型的にはE-カドヘリンの発現の有無によって鑑別されます。

(しかしながらE-カドヘリンの染色は事実上困難です。従いまして組織球腫との鑑別には増殖細胞の分布や上皮内増殖(組織球腫)の有無などにより鑑別することが多いのが実情です。)

○臨床的特徴
・皮膚組織球症
 良性の挙動を取る組織球の集合体であり、皮膚や皮下組織に限局します。多発性のこともあります。
 若齢犬に発生する傾向がありますが、ある研究で2~11歳の範囲で発生があると報告されています。好発犬種は特定されていません。
 頭部、耳介、四肢、陰嚢が一般的に報告されている病変部位であり、鼻平面や鼻粘膜にも発生します。
 免疫抑制療法にしばしば反応し、自然退縮の報告もあります。

・全身性組織球症
 主に発生する部位は皮膚や皮下組織ですが、リンパ節、骨髄、脾臓、肝臓、肺、眼瞼や強膜など他の器官にも発生します。
 発症年齢は3~9歳であり、好発犬種として現在のところバーニーズ・マウンテンドッグ、ロットワイラー、ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバー、アイリッシュ・ウルフハウンドが挙げられています。
 病変は増大と退縮を繰り返しますが、一般的に自然寛解は起こらないとされています。臨床経過はしばしば長期化しますが、この疾患により死の転帰を辿ることは稀のようです。
 臨床徴候は発生する部位によりますが、元気消失や食欲不振、体重減少、結膜炎、呼吸困難は一般的に生じるようです。

○病理組織学的特徴
 皮膚組織球症も全身性組織球症も、細胞形態学的には良性組織球の浸潤という点で一致しています。
 いずれも皮膚病変の組織像は同一です。真皮中層から皮下表層においての浸潤が顕著であり、その病変の輪郭はいわゆる“ボトムヘヴィー”と表現され、皮膚組織球腫の“トップヘヴィー”な増殖との重要な鑑別点の一つになります。
 組織球は多中心性、小結節性、血管中心性に浸潤し、しばしば血管への侵入も認められます。それに伴う血管障害により、虚血性の組織壊死が生じる場合もあります。
 リンパ球や好中球の浸潤も様々な程度で認められ、リンパ球が浸潤細胞の50%に及ぶ場合もあります。


③組織球肉腫

○由来
 組織球肉腫の由来は間質樹状細胞とされています(血球貪食性組織球肉腫を除く)。反応性組織球症の由来細胞である活性間質樹状細胞とはCD4やThy-1の発現の有無により区別されます(現実問題としてこれらの染色は一般の施設ではできません)。


○臨床的特徴
 悪性に分類される限局性またはび慢性の組織球の腫瘍性増殖です。
 発生年齢は2~13歳であり、様々な品種で発生が報告されていますが、代表的なものにはバーニーズ・マウンテンドッグ、ロットワイラー、ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバーが挙げられます。
 限局性組織球肉腫は一般的に皮下組織(特に四肢。その場合は関節周囲の発生もあります)、脾臓、舌、肺、脳幹、鼻腔、椎骨および硬膜外腔とされています。限局的な浸潤性増殖を示し、後期には局所リンパ節転移や遠隔転移を起こします。原発腫瘍の早期広範囲切除はより良好な転帰を示すとされています。
 び慢性組織球肉腫は過去に「悪性組織球症」と報告された疾患と同一のものです。広範囲な転移を伴う体内臓器の悪性腫瘍として発生します。時に皮膚や皮下組織にも病変は形成されます。一般的に体内に広範囲に病変が広がった状態で発見されるため外科的手術が適用外であり、長期生存に有用な化学療法も確立されていないため予後は悪いとされています。

○病理組織学的特徴
 組織球由来の腫瘍細胞の境界不明瞭な局所浸潤性の増殖からなります。
 腫瘍細胞はび慢性、もしくは多発性の融合結節を形成しながら増殖します。
 円形や紡錘形の細胞形態を呈し、しばしば軟部組織肉腫や他の円形細胞腫瘍と類似します。
 空胞化した細胞質を有する腫瘍細胞や多核の腫瘍巨細胞が認められることもあります。
 多発性の壊死は一般的に見られ、しばしば壊死巣に対し腫瘍細胞が柵状に配列する所見が認められます。
 リンパ球の浸潤が様々な程度で認められます。


パソラボより
上記の疾患の中にはそのサブタイプとされる疾患(例:ランゲルハンス細胞組織球症など)もありますが、今回は解説を省略させて頂きました。

組織球増殖性疾患は免疫染色により鑑別するということも書かれていますが、免疫染色で用いる抗体で市販されているものは一部であり、他は海外の一部の先生によるオリジナルです。また凍結切片(ホルマリン固定ではない)を用いるものが多く、弊社も含めてコマーシャルベースの会社では対応できないのが通常です。従いまして、現状ではこれらの知識は学問上の話であり、通常の検査においてあまり現実的な話とは言えません。

皮膚組織球症と全身性組織球症は皮膚病変のみを観察して鑑別することは、多くの場合困難です。また、いずれにも分類し難い疾患というものも時に経験し、まだ未知な部分が多くの疾患群です。

”狂犬病予防”とは何か?

はじめに。。。

ワンちゃんと生活している方にとっては、春先のこの時期にお住いの自治体から郵送されてくる、毎年同じ「狂犬病予防接種のおしらせ」を手に取ることが一年の節目?のようになっている方は案外多くいらっしゃるのではないでしょうか。。。

今回はあまりにありふれていて、飼い主さんも時として獣医でさえ、それぞれの立場でなんとなく分かっているつもりでいる狂犬病とその予防について、余談も含めていろいろと書いてみました。

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皆さまは、「狂犬病予防」と聞いて何を思い浮かべますか?

もしかすると、世間一般的には、”公園に飼い主さんと犬がワイワイと集まって、獣医さんが次々と打つアレでしょ?”などという、狂犬病予防の集団接種の会場の風景が頭に浮かぶというものかもしれません。実際に、狂犬病がいったい何なのか、何で問題になるのかがよく分からないという方が多いのではと想像します。
ワンコとの生活が長い方でも、狂犬病はとても怖い病気らしいということは分かるけれども、もう日本にはないはずなのに、”なぜ?”予防接種をしなきゃいけないのだろうと毎年、なんとなく続けていらっしゃる方が多いかもしれません。

狂犬病は50年以上も昔に国内から撲滅された感染症です。もはやその病気を実体験として知る方は非常に少なくなり、戦後の出来事と同様に人々の記憶からは消え去ろうとしています。日ごろから予防行政に関わっている私たち獣医師にとっても、狂犬病は既に”教科書の中の伝染病”となって久しく、この病気への関心は高いとはお世辞にも言えません。

ちなみに私は40代後半なので、この病気の実体験は当然ありません。小さい頃に祖母から狂犬病についての逸話や生家の周りで以前あったという「野犬狩り」の話を聞かされたことがある程度です。地元は横浜のはずれでしたが、まだ野犬が出るから危ないと伝えられている場所があったと子供心に記憶しています。

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ところで上記の、なぜ狂犬病予防?”、というくだりの答えは「狂犬病予防接種」とそれに伴う自治体への「畜犬登録」、「鑑札を着けること」は犬を飼育するに上で飼い主の義務となっているからです。(答えになっていないかもしれませんが敢えてこう書きました。)
この義務というのはやった方がよいという努力目標などではありません。それは我が国で犬を飼育する上で狂犬病予防法による法律的な義務を誰であろうと負わなければならないからです。

では、同じように生活している猫は?ウサギやハムスターは?。。。
もちろん、犬以外の動物を飼う上での法律上の義務はありません。

では、なぜ犬だけなのでしょうか?

それは、人間の生活圏で起こる都市型狂犬病は犬をはじめとする人との関係の深い動物がもたらす伝染病であるためです。かつて日本国内で流行した狂犬病は犬が人にもたらす病気としての特徴を強くもっていました。
戦後に流行した狂犬病は、犬の登録義務や予防の実施のみならず、病気を発症した疑いがある犬はもちろん、野犬など感染の可能性のあるのものを排除することで撲滅に成功しました。我が国の法令義務的予防接種のしくみはこうした歴史の延長線上にあるものです。

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ところで、この狂犬病予防法に違反した場合には罰金、さらに起訴や拘留に至るまでの重い処罰の対象となる可能性があります。ご参考までに、法律に定められた飼い主の義務に違反した場合には「20万円の科料」となっており、これは「予防接種をしなかった」だけではなく、単に「鑑札を着けていなかった」ことにも及びます。

いかがでしょうか?随分と重いと感じられたはずです。

実際にはかなりの方が法律違反を犯しているのではと推測できますが、その実態は「あまり取り締まられない交通違反」のようなものです。”ノルマを課してまで”熱心に違反を取り締まる警察に比べると、狂犬病予防法を管轄する行政の姿勢が各自治体ごとにバラバラで総じて鈍いためです。

狂犬病予防法の義務や罰則がやや重く感じるのは、狂犬病の制圧を求められていたという法律の制定時の時代背景もありますが、この法律がいつか起こるかもしれない狂犬病の発生という”緊急事態”を想定したものであることもその理由のひとつでしょう。狂犬病が発生していない”平時”の行政の取り締まり姿勢が”意図的に緩い”のもそういう理由かもしれません。

ちなみに当院は千葉県船橋市市川市からの患者さんが大部分を占めますが、市境にお住いの患者さんの話よると未接種世帯への督促は、市川市>>船橋市のようで、”お隣なのに船橋は緩くて、市川は厳しい”という意見がよく聞こえてきます。
市境を家一軒分跨ぐだけで自治体の対応が違うというのはどうなのかと正直思いますが、こうした行政側の都合が法律の順守を曖昧なものにしている点は否定できません。

罰則を伴う法律の運用が自治体によりまちまちで「行政の一部門のヤル気に依存する」というのはどうも困ったものです。。。

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ちょっとここで一旦、法律的な問題は横に置いておくことにしましょう。

日本国内での犬の咬傷事故は届け出だけで年間6000件はくだらないだそうです。この数字をぱっと見ると何やら少ないような気もしてきますが、実際のところはよく分かりません。
ところで、こうした事故の際に、予防をしていない犬がもし他人を噛んだりケガをさせた場合、またはその疑いをかけられた場合、狂犬病未接種だった場合には意外なリスクが潜んでいることをご存知でしょうか?

以前、通りすがりに足首に歯が当たったということからトラブルに巻き込まれた、おとなしい小型犬の例を経験したことがあります。そうしたまさに貰い事故みたいなものであって、仮に加害者に非がない場合でも狂犬病予防を怠っていた場合には、それはもう法律違反ですから、その一点で加害者の立場はより悪くなるわけです。

咬傷事故を起こしたと申し立てられた加害者の飼い主さんは、噛んだ犬が予防をしていない場合には狂犬病に罹っていないことを獣医師診断を何度も受け、費用、労力、時間をかけて証明してもらわなければなりません。
この作業を狂犬病鑑定といいますが、獣医師は時折、咬傷を起こしてトラブルに巻き込まれている飼い犬の鑑定依頼を受けることがあります。私が過去に依頼を受けた加害者の方が狂犬病予防接種をしていないという落ち度により、賠償などに関して不利な立場に追い込まれているケースを何度も見てきました。

本末転倒な話ですが、”狂犬病予防をしていない”ということは法律違反であるということだけに留まらず、犬との生活に潜む予想外のリスクを高める可能性があることも知っていただければと思います。
 

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狂犬病予防のシーズンになると、動物病院の診察室では、”うちのタロー、もう10歳だから狂犬病予防接種は受けさせたくないんだけど、大丈夫ですよね?”、”かわいそうだから狂犬病予防をしないようにできる書類をもらえませんか?”などという話が毎年、繰り返されるものです。
私自身、室内飼育の老チワワの飼い主の1人ですから、こういった飼い主さんの心情は個人的にはとてもよく理解できますが。。。

狂犬病予防接種をやりたくない”というご相談には獣医師として、ことあるごとに予防の義務を丁寧に説明を申し上げるのですが、なんだか納得いかないという気持ちを投げかけられることも少なからず経験いたします。
インターネット上でも「個人的事情」をはじめとする不要論、業界利権だとか「副作用で多数が犠牲になっている」などのデマに至るまで様々なものがみられます。

否定的なものの一部にはページビューやアフェリエイト等のために注目されやすい極論で煽るようなサイトも見受けられますが、こうしたことも含めて現行の狂犬病予防の運用の仕組みを不満に感じている方がそれなりの数いらっしゃる現れといってもいいのかもしれません。

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たくさんの意見があるのはもちろんよいことでしょうが、我々獣医師国家資格をもらって仕事をしておりますので、狂犬病予防法に基づく予防の必要性を説明してその促進するという責務を負っています。この点には議論の余地はありません。
こうしたことは税理士さんが「税法」による納税の義務を説明したり、自動車の整備工場が車検の必要な車の所有者に「道路運送車両法」に基づく車検の義務を説明することと何ら変わらないものです。

上記のタロー君に関してのご相談を獣医師に投げかけることはつまり、”もう年だし税金もきついから今年から納税しなくて大丈夫かな?”、と税理士に尋ねたり、”クルマはあまり乗らないから車検を延期できる書類を書いてくれ”、と整備工場に直談判することと同様に意味がないことであるとお察しください。。。

法律的義務などというものは、個人的な心情で納得いかないとか面倒だと思いながらも、法律違反によるペナルティや不都合ゆえに従わざるを得ないものでしょう。狂犬病予防も表面上は業界の悪習や利権のように見える部分があるのかもしれませんが、これも国が定める国民の義務のひとつでしかありません。

なぜか狂犬病予防の「是非の矢面」に立たされることが多い獣医師ではありますが、我々には狂犬病予防法の解釈を変えたり、凌駕するような超法規的なパワーなんてものはそもそも持ち合わせていないということ、狂犬病予防事業獣医師にとっても「義務」であることも、ご理解いただければと思います。

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では「狂犬病」とはいったいどういった病気で、なぜ犬の予防接種が必要なのでしょうか?

狂犬病診断・治療の非常に困難なウィルス感染症で、毎年全世界で5万人以上が死亡する重大な人獣共通感染症、人間と動物の間で起こる感染症のひとつです。
日本国内ではすでに撲滅されており過去の感染症となりましたが、戦中戦後の混乱期には数多くの死者を出して猛威を振るいました。現在でも世界中で発生しており、アジア、アフリカ、南米が流行地域になっています。

狂犬病は一旦発症してしまうと有効な治療がなく、その死亡率は限りなく100%というなんとも恐ろしい病気です。
さらに症状が出るまでの潜伏期間が1~3か月と長いために感染に気付きにくく、その病気に感染したという診断に至らず、しばらく経過した後に発症して「けいれん」や「マヒ」をはじめとする狂犬病に特有な激しい脳神経症状を起こして、急速に死に至ります。

感染の疑いのある場合には暴露後(ばくろご)ワクチンを何度も接種してその発症を防ぐしかありません。2012年、米国で8歳の少女が奇跡的に狂犬病発症した後に生還したことが大きなニュースになりましたが。こうした例は記録の上で10人に満たない稀有なものです。

ー> 狂犬病から生還した少女―米国

狂犬病インフルエンザなどのように人から人への感染を引き起こさないため、現在の国内での感染症対策では優先度は高くありません。ただし、罹ってしまった場合の死亡率は悪名高いエボラ出血熱ウィルスなど、あらゆるウィルス感染症を上回り、”最も死亡率の高い病気”としてギネスに記載もあるということに驚かれる方は多いのではないのでしょうか。

狂犬病は国内での発生は昭和31年以降は公式には記録がありません。このため日本は数十年の長期にわたって狂犬病清浄国となっておりますが、平成18年にフィリピンより帰国した男性が現地で狂犬病ウイルス感染し、帰国後に発症死亡したことが確認されています。

また、昨年9月に日本と同様に清浄国であったお隣の島国、台湾での発生が認められました。台湾での発生は海外からの侵入ではなく、野生動物(イタチアナグマ)によって長い年月、保持されていた狂犬病ウィルスが突如として犬に感染したものでした。狂犬病ワクチンの不足も手伝って台湾社会を震撼させたのはまだ記憶に新しいニュースでしょう。

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多くの方が「狂犬病」と聞いて想像されるイメージはおそらく下のイラストのような犬の姿ではないかと思います。

ところが、こうしたイメージは犬での狂犬病という病気を単純化したものとしては正しくもあるのですが、この病気の本当の理解や予防啓発という意味では誤ったメッセージを発する可能性があります。

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つまり、狂犬病と聞くと、”犬の病気だから人間には関係ないのでは?”という類の病名による勘違いが多く見受けられるということです。それが転じて「狂犬病が発生していないのに狂犬病予防接種が何でうちの子に必要なの?」と考える方が多くいらっしゃるのでしょう。

狂犬病は人間生活に近い動物である犬が人間への感染の橋渡しをすることが多い伝染病です。日本語で「狂犬」となっているため、犬の病気?であるとか、犬だけが関係するものという誤解がしばしば生じています。
狂犬病」は英語では「Rabies」ですが、そこに「犬だけの病気」という意味合いはありません。日本語へ翻訳する際に生じてしまった表現上の誤りがその理由です。

狂犬病の実態は人間生活に身近なのみならずなどの伴侶動物牛馬などの家畜げっ歯類などの野生動物を含めた「すべての哺乳類鳥類に幅広く感染を起こし、そうした媒介動物が人間社会に脅威を与える伝染病です。
各国で、どんな動物が狂犬病もしくは、「狂〇〇病」というかたちで脅威となっているのかはそれぞれ随分と異なります。下図をご覧になってみてください。

狂犬病.JPG
※図は厚生労働省のホームページより引用しました。
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犬への狂犬病予防接種は人への感染機会の多い犬を予防することで、再び狂犬病が侵入した時に飼い犬の集団免疫によって、その蔓延を阻止するための手段です。

つまり、現在の狂犬病予防法で求められている狂犬病予防接種接種をした犬1頭への狂犬病感染を防ぐことではありません。犬の集団から人間社会への感染経路を絶つことこそがその目的なのです。
こうした仕組みをかたちづくるために、法律が定める義務的予防接種として飼い主さん達に課しているというものです。

「高齢」、「かわいそう」、「お金をかけたくない」などの個人的理由で予防接種をしないという選択権は飼い主さんにはありません。いわば罰則を伴う社会責任のひとつと言えるでしょう。

我が国で狂犬病予防が犬のみに義務付けられているのは過去に蔓延した狂犬病感染経路や、狂犬病予防法によりそれを根絶した実績があり、それが理にかなっているためです。

例えば、発生国の米国では犬だけではなく猫に対して接種義務があったり清浄国のイギリスのように義務はない代わりに、感染を疑う動物の徹底排除とする国もあるなど、狂犬病を蔓延させないための手段やルールは国により異なっており、優劣のつく問題ではありません。

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狂犬病予防接種を義務化していない西欧諸国や予防そのものを禁止している豪州を例に出して、日本の予防行政の「後進性」が動物愛護と絡めてしばしばやり玉に上がります。
しかし、国としての対応はその国が狂犬病の侵入に際して、どの点を厳格にして狂犬病のリスクに向き合うと決めたかの違いでしかありません。当然、個人の心情としての動物愛護云々とも無関係なことです。

わが国では狂犬病ワクチンによる平時からの抑止を選んでいますが、一見して煩わしくみえるこうした仕組みは、緊急時には「ワクチン済みの犬の生存を許す」という暗黙の了解を与えるものでもあるでしょう。
一方で義務化をしていない西欧諸国の場合に、合理主義の彼の国々ではその対応がどのようなものになるのか想像してみてもいいかもしれません。

動物及び人に関わる重大な感染症としては、時折ニュース報道などで騒がれる鳥インフルエンザなどが代表的ですが、その発生時には動物には治療はもちろんのこと、ワクチンさえ使われることはありません。
重大な動物の感染症を封じ込めるという目的のため、発症した動物だけではなくその疑いのある動物、さらにその地域の健康な動物を含めての殺処分が広範囲に行われるのはご存知の方もいらっしゃるかもしれません。動物たちにとってみればまさに手段選ばずのこうした事実を私たちは感情論抜きにして受け止めなければなりません。

つまり、切迫した感染症の蔓延を防ぐために、人間社会は動物達をどのように扱うか?ということに行き着くでしょう。次回の狂犬病の再流行の場合にはいかなる対応となるでしょうか?その時々の社会情勢次第ではあるでしょうが、こうした例えは決して極論ではないのです。

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人や動物の国際間の行き来がより頻度を増した現在では、国内への狂犬病の侵入の恐れはむしろ増大しているのが現状です。

わが国では海外から見境なく輸入される様々な種類の愛玩動物に対して、その検疫体制は決して充分とはいえるものではありません。むしろ、狂犬病が予想外の動物や経路から侵入することを常に想定しなければならないのが現状です。
もしかしたら既に国内に侵入して野生動物の間で犬や人間への感染の機会をうかがっている状態かもしれないのです。

さらに、日本国内では狂犬病ワクチン接種率が年々低下して、その実態はおおよそ4割を下回っています。これは国連世界保健機関WHO)が勧告している狂犬病の流行を防ぐために最低限必要とされる接種率70%を大きく下回る予防水準です。

狂犬病は撲滅された過去の病気だから、もう日本では発生しないだろうという楽観的な根拠は全くありません。

犬は太古の昔から、時代とともにそのかたちを変えながら常に人間の最良の友であるとよく言われます。しかし、その一方で、時には狂犬病という恐ろしい感染症をもたらす危険な隣人にもなり得る存在だということを私たちは忘れるべきではないでしょう。

最後に下の図をご覧になってください。赤とピンクで塗られた地域は狂犬病が現在発生し続けている地域です。それと比べると日本をはじめとする青い色の狂犬病清浄地域はわずかでしかないという現実をご理解いただき、狂犬病予防の重要性をあらためて考えてみられてはいかがでしょうか。
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※図は厚生労働省のホームページより引用しました。

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文責:あいむ動物病院 西船橋 病院長 井田 龍

#猫バンバン

年も改まり、ついに「平成最後」のお正月が過ぎ去ってしまいました。今年の冬は昨年よりは多少過ごしやすいのでは?とは思いますが、それでも冬真っ盛りです。

連日、寒さが続いて外に出るのもちょっと億劫になっている方も多いのではないでしょうか?もちろん、屋外生活の猫たちにも、我々よりさらに過酷なかたちでその季節が訪れています。
この季節、屋外生活の猫はできるだけ暖かく安全そうな場所を探し回り、そうした場所に身を潜めていることでしょう。(下の写真は近所の駐車場の常連さん達です。)

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ところで、ドライバーの皆さん、車に乗ろうとドアノブに手をかけた途端に車の下から猫が慌てて飛び出してくるのはよく目にする光景だと思います。突然ですからびっくりしますよね。
車体の陰は猫の外敵から身を隠しやすい場所であり、特に冬季には車の余熱が残る場所は寒さしのぎの避難先にもなっていることはご存知の方も多いでしょう。

”エンジンがかかれば、猫は逃げちゃうでしょ?”

もしかしたら、多くの方は漫然とそう思っているのではないでしょうか?

まさか、エンジンルームに猫が入っているなんてことが想像できず、エンジンをかけている方がほとんどなはずです。毎日、膨大な数にのぼる「まさか」のうちの幾つかが悲劇を生み、その都度ひとつの命が危機に見舞われています。

獣医師であればすべてといっていい程、こうした悲劇の猫たちの姿を多かれ少なかれ必ず忘れ得ない記憶として残しているものです。
エンジンルームの隙間でタイミングベルトなどに巻き込まれて動物病院に運ばれてくる猫の状況は一般の方にはまさに正視に耐えない状態であることも数多く経験します。
生後、まだ数か月程度の子猫の被害が目立つのですが、仔猫は体が小さいため狭い隙間に入りこみやすいということと、まだ経験が少なく車の危険性を学習できずに逃げ遅れるなどの理由からではないでしょうか。

統計などありませんが、病院に連れて来られることもなく、もしくはその場で犠牲となっている猫はかなりの数に上ることは間違いありません。
動物病院にいらっしゃる自動車修理関係の飼い主さん達からは、猫がエンジンに巻き込まれて持ち込まれる車両は多いという話を実際に何度も聞いたことがあります。

ー>「JAF、クルマ何でも質問箱、トラブル」

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社会の片隅に埋もれてしまっているこのような実態に対して、我が国を代表するグローバルな自動車メーカーである、NISSANが光を当て続けています。
この日産自動車が推進するCSR(企業の社会的責任)事業の一環?として、生活に身近な猫の悲劇を防ぐために継続的な啓発活動を行っていることを皆様はご存知でしょうか。
毎年、冬季に日産自動車のホームページやFacebook、Twitterなどでそのような啓発を見かけた方もそれなりにいらっしゃると思います。

「猫バンバン」という標語は、車のエンジン始動の前にボンネットを”バンバン”して猫をエンジンルームから追い出す行為を指します。広い意味では車体の下やタイヤハウスなどの物陰に潜んでいる猫に”危ないぞ”というサインを送って、猫を危険から遠ざけましょうという意味合いも含むものと思います。

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実際にはボンネットなど車体をバンバンしたり、ドアの開閉を繰り返したような場合には猫が恐怖を感じてさらに奥へと逃げ込んでしまうという指摘もあるのは確かです。
最終的ににボンネット開けてエンジンルームまでしっかりと確認する必要もあるのかもしれませんし、それでも見つからない場合さえあるようです。
エンジンルームなんて滅多に見ないといというユーザーも多い中、そうした可能性の問題まで対策を求めると「猫バンバン」自体のハードルがとても高いものになってしまいますからそれは考えものです。

完璧を期すのはなかなか難しいものですが、少なくともこうした事実や最低限取るべき行動を多くのドライバーがシェアすれば、全てではないものの痛ましい事故が多少は減る方向には向かうのではないでしょうか。

不充分かもしれないけれど、とにかくやってみましょうということはとても大事なことです。

ー>「猫バンバン」とは?(Wikipedia)
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企業が収益と一見無関係にみえる事業を行うことを単なるイメージ戦略のひとつといえばそれまでですが、大小の社会への貢献を表明するために多くの企業がそういった事業を行うご時世です。
社会貢献を行う企業から消費者へのメッセージは誰もが受け入れらえれ、わかりやすく印象に残るものでなければならないでしょう。

そういった意味で「猫バンバン」という目を引く猫のアイコンとワンフレーズによる、インターネットを賢く利用した啓発活動を選んだ日産自動車の着眼点には素晴らしいものがあると思います。
多額の費用をかけずとも、痛ましい猫の死への世間の認知度を上げるという社会貢献も果たしつつあるでしょうし、自社のイメージアップにもそれなりに成功したのではないでしょうか。

さらに今後の展開として「猫バンバン」という呼びかけだけに留まらず、車のあり方に関わるような何かより実効性のある対策があれば文句なしの出来栄えとなるでしょう。
残念ながら車側のコストアップにつながるような対策のハードルはけた違いに高いと言わざるを得ませんが、それはその時点で動物愛護の視点の問題ではなくなるということでしょうから致し方ありません。

「猫の侵入による外的要因による故障」が車の品質問題だという認識が消費者、それも世界的に起こらない限りはコスト競争に血眼になっている製造業にその選択をさせるのは難しいのは確かなことでしょう。
まあ、購入の際にディーラーオプション品として、猫の侵入を防ぐような装置などがあれば、「猫バンバンプロジェクト」と合わせて日本国内ではそれなりの需要はあるかもしれませんが。。。

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この「#猫バンバンプロジェクト」に好意を感じるような潜在顧客層は普段から猫に何らかの愛情や関心を感じているか、それが昂じて猫を飼っているという社会全体から見ると多いとはいえ限られた人々と言えるでしょう。

猫好き脳のフィルターを通して見ると、そんなことないのでは?と感じるかもしれませんが、実際には猫の飼育世帯率はわが国では昨今の「ネコノミクス」などという造語の話題性にも関わらず世界的に見ても低いわずか9.9%でしかありません。
(2016年、一般社団ペットフード協会調査による)

一方で、さまざまなレベルの「猫嫌い」は猫好きな層に対して無視できないほどの割合で存在していると思われます。そうした無関心以下の層に対してはこのプロジェクトは訴求力はおろか、場合によって嫌悪感さえ生じかねません。

また、さらにこの話題は猫好きに対しても、かわいらしい猫のキャラクターに隠れて表立っては表現されないものの、車という自社が製造しているプロダクトが引き起こす可能性のある猫の死などの凄惨性の強いネガティブなイメージを伴っています。

強調しすぎれば、なんでも他責の世の中(特に企業には)ですから、藪蛇的にあらぬ方向から話が自社製品の問題に及んだり、なぜ対応をユーザー任せにするのか?などという責任の一端を負わされかねない、なんてこともあるかもしれません。

とりわけ猫にシンパシーのない層にとっては迷惑な猫によって大事な車の価値が損なわれたり、事後処理や故障への金銭的、精神的負担を生じる可能性のある問題でもあるわけですから。。。

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このプロジェクトが、その受け手によるマイナス面を持っているのかどうかは実際には分かりません。
いずれにせよ日産自動車が事故に巻き込まれる猫に自社プロダクトが関係する可能性がある、という微妙なリスクをとりつつこうした活動を継続的に行うということは意義深いものがあると思います。

万人受けを狙うばかりに「木を植える」ような優等生的な活動が人や資金の投入に見合わずイメージ戦略としていまひとつであったり、差別化できずに金太郎飴的に埋もれてしまったりとイメージづくりとはなかなか大変なものでしょうが、「猫バンバン」がターゲット層に与える印象はそうしたものとは対照的です。
日産自動車の判断はココと決めた層には非常に分かりやすく強い印象を残すことができるという点でイメージ戦略とはこうあるべき、といういいお手本といえるのかもしれません。

今後の展開としてあるかどうかわかりませんが、もし、こうした取り組みがメーカー1社にとどまらず業界全体に、さらに異業種などをと巻き込んで起これば「我々、猫が好きでたまらない層」に留まらず、ちょっとだけですが世の中が明るくなるような気がいたします。。。

年初から、昨年末から続くゴーン前会長の事件で逆風を受け続けている日産自動車ではありますが、今年も「#猫バンバン」プロジェクトは継続されているようですので、微力ながら応援させていただきたいと思っております。

何やら余談が長くなってしまいましたが、さて、皆様いかがお感じになるでしょうか?
ご興味のある方はぜひ下のリンクをぜひ訪れてみてください。

ー>「のるまえに猫バンバン」
  (日産自動車のサイトへリンクします)

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文責:あいむ動物病院西船橋
病院長 井田 龍

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